レクイエム2022 「戦争と平和」 の記録

 

期 間 2022年 8月11日~8月21日


毎年恒例のレクイエム展、今回のテーマは戦争と平和。会場には二紀和太留の作品が並べられた。
奥の展示室は戦後、1963年頃の坂田一男に影響を受けた厚塗りの油絵の作品群が、手前の展示室には「荘厳(天の光マンダラ)」など後期の作品群が並ぶ。今まで未発表の「暗黒」「座」「赤い静物」「浄光」「墓標」「墓標B」も並べた。
「赤い静物」はシュールリアリズム的、「暗黒」は抽象のような具象のような、いずれも印象的な作品。
奥の展示室の正面は「原爆」「戦争と平和」「墓標と廃墟」の三点が並ぶ。これだけ戦争の悲惨な状況を描いた絵は世界でも少ないだろう。
ところで私たちは毎日テレビやネットから情報を得ていてそれが疑似体験として記憶される。展示室の手前には私がスマホで撮った戦争がらみのテレビ報道の画面A4サイズ50枚組の作品「記憶」を展示した。NHKの「決断なき原爆投下」ではマンハッタン計画の責任者レズリー・グローヴス少将の暗躍とさらなる17個の原爆投下計画が暴露された。
「安全な原爆」は当時アメリカで放映された原爆は安全とするプロパガンダ番組でアメリカ政府はアメリカ国民もだました。
TBSの「終戦間際のフィナーレ爆撃」とは8月14日と15日の二日で在庫の爆弾をすべて日本全国の都市に投下することで、フィナーレ爆撃と称した。
ウォルト・ディズニーのプロパガンダ映画「空軍力の勝利」とは東京大空襲の勧めであり、提案された「ディズニーの爆弾」とはナパーム、マグネシウム爆弾などの焼夷弾の事で、これは明らかに国際法違反。この番組では、当時ディズニーはお金がなく、プロパガンダ制作はお金を得る手段と説明された。
しかし、「本当に怖いアメリカ映画」(町山智弘著)によるとディズニーは自費で制作し積極的に空軍に提案したのだという。この映画は民族浄化につながる提案だったがそれは現実化し東京で11万人、全国で30万人の民間人が焼死した。「映画って本当にいいもんでですね(淀川長治)」どころではない。
そして「ウクライナの戦争」。かつての第二次世界大戦においてソビエトは1941年に締結された日ソ中立条約を終戦間際の1945年8月8日に一方的に破棄し、ソビエト軍は満州や北方領土に参戦し、ヤルタ会議の密約で、戦後ポーランドまで領土を拡大した。チャーチル、ルーズベルト、蒋介石、さらに松岡洋祐、皆、スターリンに騙された。
戦後、ソビエトはナチスを破ったというだけで英雄となり戦後の世界を牛耳ることになる。
プーチン大統領はウクライナのゼレンスキー大統領をナチス呼ばわりし戦争を正当化する。戦争はまるでB級映画のように世界制覇をもくろむ誇大妄想の人間により起こされる。