期 間 2021年 7月15日~8月1日
クリックすると展覧会の会の様子が、パノラマで御覧いただけます。
茶室に設けられる障子を施した下地窓のひとつに「虹窓」というものがある。
太陽の直射光は深い土間庇で遮られ、空中で拡散した天空光のみが庭の植栽などに反射しながら窓へ入射する。
それにより障子に映し出される影に多彩な色が顕れるというものだ。
以前、京都の塔頭で実際に目にしたそれは切り取られた時間と静寂の中で極僅かな色彩の変化を認知できたかどうかというぐらいの淡いゆらぎだった。
今、振り返ると実際はそのように思えただけの所謂、幻視だったのかもしれない。
しかし淡くゆらいだままのその記憶は私が長く描こうとしている絵画の姿を指し示しているようにも思える。
工藤 礼二郎